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上海には空がない

 「中国情報局」NEWSというオンラインニュースの中に、「青空を失った上海:『智恵子』ならなんと言う?」という記事が掲載されていた。経済発展が著しい中国にあっても目立つ発展を遂げているのが上海なのだが、見上げる空は霞がかっていて、青空を見ることができなくなったのを嘆いている記事だった。

 約20年前当地から仕事の関係で移り住んだ関東地方で、見上げる空の色が全く違うことに気付かされたものだった。視野全体がぼんやりしていて、山の稜線もなんだかくっきりしないものだった。遠くに富士の姿を眺められるのは正月三が日だけだということも知らされた。そう、人間活動で、なかんずく自動車や工場から排出される「ガス」で大気が汚染され、視界の見通せる距離が短くなっているのを実感したものだった。

 10年足らずで又当地に戻ったのだが、どうもその十年間の間に見上げる空の色が変わってしまっているのに気づいた。昔も、春先からしばらくは黄砂現象で、晴れの日も白っぽい色の空だったが、秋には抜けるような紫色を帯びた青い空になったものだった。だが、このところそんな空を見ることが無くなってしまった。

 考えてみると、空には国境の壁はないから、西から東へ空気が移動してくる。だから隣国の空の変化は当然日本にも影響を与えるということなのである。当地から東京へ行く距離よりも隣国の方が近い、それだからこんな帰結になって当然なのだろう。

 上記の記事を書いた筆者は「専門家によれば、日本の今の環境と人々の環境意識は、40年という長い時間をかけた結果だそうです。では中国も、そんな長い時間をかけてようやく青空を取り戻すことになるのでしょうか・・・・。なんだか心が締め付けられる思いです。」と述べているが「中国にはけ『経験に学ぶ』という言葉があります。・・・中国政府も日本の経験に学ぼうとしていますし・・・」と近い将来青空を取り戻せると期待しているようです。

 だがそうでしょうか、おそらく「青い空」は地球から消えてしまうのではないでしょうか。今の先進国の生活様式を追い求める人が次々に出で来ています。空気の汚染は絶対値として増加するばかりでしょう。人間が価値観を変更し、生活様式を変えない限り「青空」は遠くなるばかりではないのでしょうか。

 環境グッズとかバイオ燃料、そんな対症療法的な行為では問題は解決しません。クルマ社会を捨て去る、そんな勇気が求められているのだと思います。私もクルマに乗ります。なかなか手放すことはできません。この出来ないことをやる、その気持ちにしか解決の手段はないのですが、崖っぷちまで来なければ決断できない、それが人間の性かも知れません。

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